「お宅の屋根、危険な状態ですよ」
近年、悪質な手口でお金をだまし取るリフォーム詐欺が横行しています。
ニュース等で目にした方も多いのではないでしょうか。
先日、消費者庁から「住宅リフォームの悪質な『点検商法』に注意してください」という呼びかけがありました。
そこで今回、我々リフォーム業者から見る悪徳業者の特徴・見分け方をまとめさせていただきました。
ご参考になれば幸いです。
悪徳リフォーム業者の特徴3選

〇不安を煽る訪問営業
悪徳リフォーム業者の一つの特徴は、訪問営業で消費者の不安を煽ることです。彼らは、訪問時に家の状態に過度な問題を指摘し、すぐに修理やリフォームが必要だと急かすことで、消費者を焦らせます。
「隣で工事している者ですが、屋根が気になったので調べさせてもらえませんか?」
そう言うので屋根に上らせたら、問題のない屋根にわざと穴を開けて契約を迫る……最近ニュースでも話題になった事件です。
「お宅の屋根、危険な状態ですよ」
そう言ってよく似た屋根の劣化した写真を見せてくる、という事例もあったそうです。
このような営業手法は、冷静な判断を鈍らせることが狙いです。一般の方には判断しにくい部分を狙って口八丁手八丁で騙そうとしてきます。
信頼できる業者であれば、まず消費者の要望をしっかりと聞き、必要に応じて適切なアドバイスを提供します。不安を煽られることなく冷静に判断できるよう、業者が伝える内容に疑問を持ったり、他の業者と比較することが重要です。

〇大幅な割引・無料を謡う
例えば「足場代無料」という言葉に引かれてしまう方がいるかもしれません。しかし、これは悪徳業者の手口の一つです。一部のリフォーム工事には足場を組む必要がありますが、この費用が無料という業者は要注意です。
この作業には「足場の組み立て等作業責任者」という国家資格が必要なため、ほとんどの場合外部の資格者に依頼をします。そのため実際には、足場代が後に別の名目で請求されたり、見積もりに不透明な形で追加料金が含まれていることがよくあります。
業者が「無料」と言っても、その裏に隠れた料金があると考え、契約前に詳細な見積もり内容を確認しましょう。ちなみに、怪しい業者は訪問時にその場で手書きの見積書を渡すケースが多いようです。
「今すぐ契約すれば、大幅な割引を提供します」
といった強引な営業を行う業者も悪徳業者の特徴です。特に異常に大きな割引を提示される場合、その値引きが実際の工事内容や価格に見合っていない可能性があります。
このような業者は、消費者を急かして契約を結ばせ、後で追加料金を請求したり、工事内容を省略することがあります。
大幅な値引きに惹かれず、慎重に契約内容を確認しましょう。

〇連絡先が曖昧
一般的なリフォーム業者は、明確な連絡先を提供し、何か問題があった際に迅速に対応できる体制を整えています。
そのため、連絡先が不明瞭だったり、複数の連絡先があるにもかかわらずどれを使用すれば良いのか分からない場合、その業者は信頼性に欠けると考えましょう。悪徳業者は問題が発生した際に逃げるため、意図的に曖昧な連絡先を示すことがあります。
契約後の瑕疵や欠陥工事が発覚し、連絡を取ろうとしたら電話が繋がらない、番号が使われていない上に会社も消えている……なんてこともあります。会社名をころころ変えて詐欺を繰り返す業者もいるので、必ず契約前に確認するようにしましょう。
悪徳リフォーム業者の見分け方3選
〇リフォーム比較・反響サイトを見る
リフォーム業者を選ぶ際、まず「リフォーム比較サイト」や「反響サイト」を活用することが効果的です。これらのサイトでは、複数の業者の口コミや評価、過去の実績を簡単に比較することができるため、信頼性をチェックするのに役立ちます。業者がどれだけ透明性を持ち、実績があるのかも確認できます。
悪徳業者は口コミが少なかったり、逆に過剰に良い評価ばかりを得ていることがあります。信頼できる業者は、実績や長期間の運営歴がある場合が多く、実際にリフォームを経験した人の声を聞くことができるので、口コミを参考にすることは有効です。
できればGoogleのように誰でも書き込める設定の口コミより、
会員登録必須の反響サイトの口コミを探しましょう。ここ数年で更新があるかどうかもチェックすると良いでしょう。
こちらは当社の紹介ページも掲載してくださっているサイトの一例です。
専門的な話が飛び交うリフォーム、当人だけでは判断しにくいのが当然です。業者を選ぶ際には、信頼できる第三者の評価を参考にすると安心できますね。
〇資格・免許の記載を見る
リフォーム業者が適切な資格や免許を持っているかを確認することは、非常に重要です。大体の場合は名刺や会社のポータルサイトに記載があるため、可能であれば確認しておきましょう。特に「建築業許可(〇〇県知事許可) 第○号」というように記載されていない場合、その業者は500万円以上の建設工事権限を持たない可能性が高いです。
建設業許可がない=悪徳業者、というわけでは必ずしもないですが、法の穴を狙うために500万円以下の契約を取ろうとするのが悪徳業者の手口です。
リフォームには専門的な知識と技術が必要なため、資格や免許を持っていることは業者の信頼性を証明する一つの大きな指標になります。
〇複数の業者から見積もりを取る
リフォームの見積もりは、複数の業者から取ることを強くおすすめします。
悪徳業者は他の業者よりも異常に安い見積もりを出して、契約を急かすことがあります。複数の見積もりを取ることで、相場を理解し、価格や内容が不自然に低すぎたり、高すぎたりする業者を見分けることができます。また、工事内容や使用する材料の質、作業期間などについても比較することができ、納得した上で契約を結ぶことができます。
ただし、あまり多く見積もりを取っていると、逆に優良な業者から「とにかく安さ優先で業者を探している」と思われてしまう場合もあります。相見積もりは3社、多くても4社程度が一般的です。
費用も期間もかかることなので、お互い信頼関係を得てから契約することが一番です。
契約内容に不明確な点がないか、詳細に確認することも重要な見分け方の一つです。悪徳業者は契約書を曖昧にしたり、重要な項目を省略したりすることがあります。契約前に、工事内容、工事費用、支払い方法、工期など、すべての項目を明確にしておくことが大切です。特に、追加料金が発生する可能性があるかどうか、契約書に明記されているかをチェックすることを忘れずに行いましょう。
悪徳業者に騙されない!
これで、悪徳リフォーム業者の特徴と見分け方をご説明いたしました。業者選びの際に、これらのポイントをしっかりと確認することで、信頼できる業者を見極める手助けになるでしょう。
そして、もし騙されて契約をしてしまった際には、各相談窓口にて専門家に相談することをお勧めします。8日以内に手続きを行えば契約を解除することができるクーリング・オフ制度を適用することも可能です。
悪質な業者に騙されず、大切なお家を長く使うために後悔の無いリフォームをしましょう。
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